県内最大級の天体望遠鏡で宇宙の神秘をのぞいてみよう！「星の村天文台」

福島県中通りの最東端に位置する田村市。「あぶくま洞」や「入水鍾乳洞」が有名です。
ここは「天に星、地に鍾乳洞、人に愛」をテーマに掲げた自然豊かな町で、昔から天文愛好者たちに「天体観測の宝庫」と言われているのだとか。

今回は、星のきれいな田村市にある「星の村天文台」をご紹介します。

▲「星の村天文台」の地図と交通アクセスです。

星の村天文台は、あぶくま洞に隣接し、駐車場を共有しています。
らせん状の外階段がとてもユニークで、パッと目を惹く外観です。

天文台は、1991（平成3）年にオープン。高さ16メートルの3階建てで、3階には直径6.5メートルの半円ドーム型の観測室とプラネタリウムが併設（ちなみに2階は管理室）されています。

見どころは、観測室にある「反射式天体望遠鏡 絆 KIZUNA」。口径が65cmと県内最大級の大きさを誇ります。性能も優れており、昼の太陽も観測できるように特殊フィルターが搭載されています。

望遠鏡で見ている天体が室内モニターに映し出されるので、感動をみんなで共有できるのがうれしいですね。

プラネタリウムは一度に60人の収容が可能。館オリジナルの番組が楽しめます。

天文台ができた経緯

そもそも、誰が、なぜ、田村市に天文台を建設したのでしょうか。
田村市のある阿武隈高原は、大きな街から離れており、人工的な明かりの少ない自然に囲まれた場所。標高は640メートルと高く、空気が澄みきっているため、天文台の設置に非常に適していました。
そこに目を付けたのが、当時の滝根町（※）・蒲生町長。1992年（平成4年）8月、あぶくま洞に隣接した星の村天文台を建設。その周辺一帯を「星の村」と命名し、「星の村会館」や「星のビレッジ」などを次々に整備していきました。こうして、壮大な町おこしの一環として造られたのですね。
（※2005年に滝根町、船引町などが合併して田村市となりました）

天体望遠鏡で観る 夜空の臨場感

大きな天体望遠鏡では、月や惑星、彗星や金環・皆既日食、流星群、星雲・星団など、季節ごとに違った天体の詳細な姿を観望することができます。

夜になると、天文台では美しい星空を観測する星空ツアーを開催。天気が良ければ本館の屋上や玄関先で、実物の星空を見ながら生解説を聞くことが可能です。
阿武隈高原の澄み切った空に、手が届きそうなくらい近くに感じられる星たち。デジカメを持っていけば、望遠鏡を通して月などを撮影することも。また、月明かりがない夏の夜には肉眼で天の川もよく見えます。
ここでしか見ることのできない、天然のプラネタリウムをたっぷり満喫してください！

さらに、昼にも望遠鏡見学ツアーは開催されます。特殊なフィルターを通して観察する太陽は、黒点だけでなく、運が良ければプロミネンスと呼ばれるガスが吹き上げる様子まで見ることができるのですよ。とても貴重な体験ができそうですね。

※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、見学ツアーは予約制で行っています。それに伴い、夜の観望会は各回30分。また、天文台ドーム内と屋上観望の人数は計30名までとさせていただきます。
※急な天候の変化や、機器の故障などによりツアー途中での中止や内容の変更がある場合があります。
※天文台には冷暖房設備がありません。夏の夜でも一枚羽織るものを持っていきましょう。

おすすめの宿泊施設

遠方から訪れてもゆっくり天体観測ができるよう、宿泊のことも事前に検討しておきたいですね。宿泊施設なら、「星の村ふれあい館」や「星のビレッジ」が近くにあります。

星の村ふれあい館
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/21/fureaikan-top.html

星のビレッジ
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/19/senndahira.html

まとめ

いかがでしたか？　美しく静かな阿武隈高地にある、星の村天文台。家族で訪れても、カップルで訪れてもそれぞれの楽しみがありますね。
天体望遠鏡からのぞく本物の宇宙の迫力は、一度目にしたら何度も足を運びたくなる魅力があります。みなさんもぜひ、宇宙の神秘をのぞいてみてください。

星の村天文台
福島県田村市滝根町神俣字糠塚60番地1
TEL:0247-78-3638
開館時間：10：00～17：00
定休日：火曜日(11～4月は火･水曜、共に祝日の場合は翌日休)
大人500円　 子供300円 　団体割引あり
車：磐越自動車道小野I.Cから15分
鉄道：ＪＲ磐越東線神俣駅から車5分
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/

written by 福島TRIP ライター/きだわら まきこ